松浦果南系

果南ちゃん

8話ダイマリかな精読

殆んど書き殴り、見やすさ等あまり考慮していませんがご容赦ください。

 

ダイマリかなの流れを時系列順に見つつ、8話の内容を加えて考えていく。

□ロリ時代

○果南→鞠莉のハグ、眺めるダイヤ
三人が仲良くなった瞬間?

□一年生時代

○ダイかな→鞠莉勧誘
・ダイヤ「学校を廃校の危機から救うにはそれ(スクールアイドル)しかありませんの!(楽しそうに)」
統廃合報告時の千歌の状態と類似。千歌と同樣μ'sと重ねわせていたと考えるのが自然。

果南ちゃんが乗っていた理由として考えられるのは
一、ダイヤと鞠莉が大好きだから
二、廃校を止めたいから
三、果南ちゃんもμ'sオタ、アイドルオタだったから
四、何となく楽しそうだったから
五、そもそも果南ちゃんの発案だった
この辺があったりなかったり絡み合ったりしてのことかと想像される。

また、8話後出の
果南「外の人にも見てもらうとかラブライブに優勝して学校を救うとか、そんなのは絶対に無理なんだよ!」
とは対照的。

テーマ:発案者は誰か?
①ダイヤ様
②果南ちゃん
③「ダイヤ、もしかして…」「果南さんもですの…?」「うん…同じこと考えてたね!やろう!スクールアイドル!」

①の根拠
・ダイヤ様はドルオタでμ'sオタ
・統廃合の問題に近い
・勧誘シーンで先に喋った

②の根拠
・ライブシーンでセンターだった
・失敗の責任を一番重く感じている
・千歌と同じく作詞をしている

③の根拠
・①②を両方根拠として考えた場合


・鞠莉は乗り気でなく、果南の「うんっていうまでハグ」により陥落
・「わたくしも仲間に入れてください!」←かわいい
・一度断っていることから、この時点では鞠莉は
「果南のストーカー」ではなく、
「私にとって宝物だったあの時」になるとも思っていなかったはず
・ロリ時代に三人の関係性が確立されていたと仮定すると、この経験が鞠莉の「宝物」になったのは
つまり[スクールアイドルのおかげ三人の関係性がただの仲良しから宝物といえるものになった]
[スクールアイドルによって三人の時間が宝物になった]ということを意味しているはず。
鞠莉にとってのスクールアイドルはこの意味において大切なものであり、
鞠莉のスクールアイドル観は三人の関係性と深く結びついている。
もし自分がやるのであれば三人でやるのでなければ意味がなく、
三人の関係性を取り戻すためには何としても三人でスクールアイドルを再開することが必要と考えていそう。

○ダイマリかな、東京に呼ばれる
・ダイヤ様「あの子たちを今東京に行かせることがどういうことか」という発言に繋がる
[ちょーしこき状態]、7話のAqoursの状態と重なる状態、ダイヤ様がAqoursに重ね合わせた状態であると考えられる
Aqoursと同樣にランキングが急上昇していたかもしれない。
この後ダイマリかなは「取り返しのつかないこと」になった。
この重ねあわされる状況で、Aqoursが同じ「取り返しのつかないこと」になることを恐れた。
・果南ちゃん、歌詞を書く「力を合わせて夢の海を泳いで行」

○東京でのダイマリかな
・「でも、歌えなかったのですわ。他のグループのパフォーマンスのすごさと、
巨大な会場の空気に圧倒され何も歌えなかった…」

6話・7話で示唆された[本番アクシデント]が明確に示されている。
大方の予想通りである。

「心を強く持つのですよ」と言ってあげたおかげか、Aqoursは全く同じ事態には陥らなかったが、
ダイヤ様は「あなたたちが誰にも支持されなかったのも、私たちが歌えなかったのも…仕方のないことなのです。」と、
歌えなかったことと、Aqoursの得票0票を重ね合わせている。
両者に共通する原因は、ダイヤ様の言をまとめると[スクールアイドル全体のレベルが高すぎるから]。
そして「いつかこうなると思っていたから」スクールアイドルに反対していた、と告げる。
「こうなる」がダイマリかなとAqoursの双方に訪れた事態を指しているとするなら、これが指すのは
[外のスクールアイドルのレベルの高さにぶつかって挫折すること]であると考えられる。
但し、これ自体が「取り返しのつかないこと」を指しているとは考えにくい。
「いつかこうなる」と「今東京に行かせると取り返しのつかないことになる」という表現が釣り合わないし、
一般的には挫折したら立ち直るのが常道だからだ。
この問題については以下で詳述する。

なお、ダイヤ様はダイマリかなのその後については語っていない。
その後のダイマリかなの仲、鞠莉が何故いなくなったのか等については不明。
ただ、ダイマリかなスクールアイドルが現在存在していないこと、鞠莉がどこかに行っていたことは事実である。


テーマ:ダイヤ様はAqoursの解散、または仲違いを危惧した説

以下は、ダイヤ様の「取り返しのつかないこと」という発言が、
ダイヤ様自身の身に起こったことと重なるものだという前提で考える。
ダイヤ様はAqoursが外のスクールアイドル文化に触れることで「取り返しのつかないこと」になることを危惧した。
「取り返しのつかないこと」という言葉の意味から、[立ち直りうる敗北・挫折]を指していることはあり得ない。
だとすると、[挫折し、立ち直れなくなること]を指していると考えるべきである。
グループが立ち直れなくなったならば解散するのが妥当であるので、
ダイマリかなはあの東京行きをきっかけに解散したこと、
またダイヤ様はAqoursも今回のことで解散する事を危惧していたことが推測される。
また、その後のダイマリかなの関係性は、スクールアイドルを始める前よりも険悪になっている。
(但しこれは鞠莉が内浦を離れたことに起因しているのかもしれない。)
仮にダイマリかながあの失敗によって険悪になっていたとしたなら、ダイヤ様はAqours皆の関係性が壊れること、
ダイヤ様個人としてはルビィが友人たちと気まずくなることまで危惧したのかもしれない。


発展:Aqoursの前進によるダイマリかなの前進仮説

この仮説を前提とし、また8話のおけるAqoursの顛末を見た上で
鞠莉「ダイヤも期待してるんじゃない? 私たちが乗り越えられなかった壁を、乗り越えてくれることを…」
ダイヤ「取り返しのつかないことになるかもしれないのですよ…!」
というやり取りに立ち戻る。

ダイマリかなのアイドル活動が東京事件により終焉を迎えたとするなら、
[挫折による解散の危機]が、「私たちの乗り越えられなかった壁」に該当すると考えることができる。
そして、8話のラストにおいて、Aqoursは[挫折による解散の危機]に瀕してもめげずに続けて行くこととなった。
つまり、この仮定にしたがって考えると、
この時点でAqoursが「私たちが乗り越えられなかった壁を、乗り越える」ことを、見事成し遂げたと言える。
また、「取り返しのつかないこと」が[挫折により解散すること]であると仮定しているので、
「取り返しのつかないこと」にならなかった、とも言える。

このように、Aqoursの先行きを「期待」、もしくは心配していたダイマリに対し、
8話のAqoursは一定の[答え]を見せたという形になる。
そうなると、「期待」していた当人たちが何らかの影響を受けると考えるのが妥当であろう。
つまり、「期待」というファクターを通じて、Aqoursが前進することで
ダイマリかなの物語も前進したと考えることが出来るのである。


余談:ダイヤ様が新しいスクールアイドルも失敗すると考えていたのは、
μ’sとA-RISEのいた都心部のスクールアイドル文化の発達に対して
内浦のスクールアイドル文化が追い付いていないからかもしれない。
富山や山形の高校野球部が甲子園で勝てないようなものかもしれない。


・センター果南、果南を見つめるダイヤのアップ
→三人の中心としての果南、という果南ちゃん像が存在する?
だとすれば、果南ちゃんは歌えなかったことに対して一層大きな責任や罪悪感を感じているのかもしれない
果南ちゃんのスクールアイドルに対する拒絶感の大きさもこれにより説明できる。
この解釈を拡大して想像するならば、
果南ちゃんはダイマリかなアイドルの発案者もしくはリーダーであったかもしれない。
但しこの点については後に明らかになりそうなので強く断定する気持ちは持つべきでないだろう。


○ここで、ここまでの内容を踏まえて過去の出来事について見る。

・7話における鞠莉「だからと言って、避けるわけにはいかないの。
本気でスクールアイドルとして、学校を救おうと考えているなら…」
ダイヤ「変わっていませんのね。あの頃と…!」について

「避けるわけにはいかないこと」とは、[取り返しのつかないことに陥るリスクのあること]、
つまり[全国のスクールアイドルのレベルの高さにぶつかること]だと考えられる。
これが「あの頃と変わっていない」ということは、つまりダイマリかなの間で
『全国のスクールアイドルのレベルの高さにぶつかることは学校を救うために必要だった』ということが
鞠莉によって言われたと推測される。またそれは東京事件後の出来事だと考えられる。
これに対して果南ちゃんの主張を見ると、
「外の人にも見てもらうとかラブライブに優勝して学校を救うとか、そんなのは絶対に無理なんだよ!」であり、
これも東京事件によって果南ちゃんに生じた考え方だと思われる。
従って、東京事件後のかなまりの間で、この点について意見の衝突があり、言い争いに発展したことが想像される。
ダイマリかなアイドル解散の直接の原因はこの考え方の不一致、喧嘩であったのかもしれない。
また、鞠莉が「変わっていない」ことに対するダイヤ様の怒りから、
東京事件後に心が折れている果南ちゃんに対して鞠莉がこう発言したことで果南ちゃんを追い詰めてしまったと、
ダイヤ様は考えているのかもしれない。
鞠莉のその発言自体は『三人のスクールアイドルをどうしても続けたい』という思いからだったのかもしれない。


□現在

○ダイかな報告1
・果南「ダイヤから聞いた。千歌たちのこと」
この発言から、ダイヤと果南は今でもある程度自由に連絡を取り合う仲だと推測される。
どちらが切り出したかについては、果南ちゃんがスクールアイドルに触れることを避けたがっているダイヤ様が
果南ちゃんにいきなり報告することは考えにくいため、果南ちゃんから千歌たちの動向を尋ねたか、
何かあれば報告してほしいとお願いしていたのかもしれない。
いずれにせよ、果南ちゃんの
[千歌たち本人には「ふーん」程度の態度を取っているが内心すごく気になっている]という態度が確定する。
聞いた内容は、千歌たちが東京に行くことが決まった、それを鞠莉が許可した、ということだろう。


○かなまりハグ未遂事件
・合図での呼び出し、「いつ以来かなぁ…こうやって呼び出されるの」
部屋の中では話せない理由があったのか…まあ普通不法侵入はしちゃいけないんだけど
そこは演出として深くは考えない。
重要なのは以前にも、つまり二年前以前にもこうして呼び出すことがあったということ。
その時の目的、会話内容については推測の材料がない。
個人的にはダイかなの二人で鞠莉を呼び出しててほしい。


・「ダイヤから聞いた。千歌たちのこと」「…そう」「どうするつもり?」
ダイヤから聞いたことは千歌たちの東京行き、及びそれを鞠莉が承認したことについてだと思われる。
「どうするつもり?」というのは、東京行きを承認したということは千歌たちのスクールアイドル活動を
支持することになるが、これからも支持するつもりなのか、お前正気か?ということを言いたいのだと思われる。


・「その何が悪かったの? 町の人も学校の人も、スクールアイドルだと応援してくれたじゃない」
「ライブもうまくいったしね…でも…」

「その」=千歌たちの活動を支持したこと、の何が悪かったの?
鞠莉はAqoursを応援して悪い?と言っている。この時の鞠莉は挑発的な表情をしており、
鞠莉がAqoursを支持することが果南ちゃんの意志にそぐわないことを
認識した上での発言であることが伺える。
つまり、果南ちゃんが千歌たちの活動は辞めさせるべきだと思っていることは分かっている。
鞠莉の意図としては、こうすることで果南ちゃんを少しでも論破したい、つまり
果南ちゃんのスクールアイドルに対する拒絶を少しでも打ち破りたいのだと思う。
涙をこらえながらあんな表情をして。泣ける。

それに対して果南ちゃんはライブも上手く行ったことを認めているが、後の発言から
「『内浦の中では』ライブも上手く行った」ということに過ぎないのだ、と言いたいのだと分かる。
鞠莉の誘いに対して、あくまで意地を張り通すつもりなのだということを意味している。


・3話回想ダイヤ様「これは今までのスクールアイドルの努力と町の人たちの善意があっての成功ですわ!
          勘違いしないように!」
「外の人にも見てもらうとかラブライブに優勝して学校を救うとか、そんなのは絶対に無理なんだよ!」
「だから諦めろっていうの?」「私はそうすべきだと思う!」

ダイヤ様のセリフに被せるように果南ちゃんが喋る演出から、
「町の人たちの善意」があればライブは成功するだろうが、それがない「外」ではそうは行かない、
という果南ちゃんの考えを示していると考えたい。
ダイヤ様のセリフを引用したということに関して言えば、3話から時間が経った今、
ダイヤ様自身の考えは変わってきているように感じる。
(「スクールアイドルとして十分練習を積み、見てくれる人を楽しませるだけのパフォーマンスもしている。」)
つまり、この時点ではダイかなの考えは一致しており、ここまで見て来た視聴者はダイヤ様の変化を感じているが
果南ちゃんの考えは3話の時点で止まっている、ということを示しているとも取れる。
その一致をほどいた最たる要素は、Aqoursの活動への関与度だと考えられる。
ダイヤ様がAqoursの活動にちょくちょく関わっていたのに対し、
果南ちゃんは3話のライブで体育館の中にすら入っていない。
但し、6話の海開きライブは見ているが。
なお、これに並行するテーマについて後述する。


・「だから諦めろっていうの?」
無理だから諦めろっていうのは違うだろ、っていう鞠莉の意図は明白である。
それで終わってもいいセリフだが、
鞠莉が直接「違う」って言わないことには意味を見出すことが出來るかもしれない。
敢えて「違う」と言っていないとすると、
過去に自分の意見をぶつけることで痛い目を見た(喧嘩になった)、
あくまで果南ちゃんの口から間違っていたと言わせたいなどの理由が考えられるが、
これは想像の域を出ない。


・「私はそうすべきだと思う!」
これもただの返しとも考えられるが、
鞠莉の誘導にまんまと乗せられての発言、と解釈することが出來るかもしれない。
無理だと思う→諦めた方がいい、という言い換えに何か意味があるとすれば、
「諦めた」という行為が実際にダイマリかなの間で行われた行為であること、
つまりこの一言に鞠莉は「あの時」との繋がりを見出したのかもしれない。


・「果南…」
この流れの中で鞠莉が腕を広げる。自分の中で最も納得のいっていない、あまりにも唐突に映った部分である。
かなまりの間にある「ハグ」の特別な意味については後で考えるとして、
鞠莉の表情=慈愛をそのまま解釈すると、
鞠莉は果南ちゃんが傷付いている、少し飛躍するが先ほどまでの言葉を吐きながら自分を傷付けている、と
考えていたのかもしれない。

ロリ時代のハグ、高1時のハグを考えると、
鞠莉にとって果南とハグすることは「宝物だったあの時」に帰ることだと考えられる。
そうだとして、それまでのやりとりから「あの時」に帰ろうとした鞠莉の心情がまるで分からない。
あのやりとりから「あの時」に帰れる要素が全く見当たらない。
とすれば、「帰れる」ではなく「帰りたい」という気持ちをただただ表現した、ということなのかもしれない。
しかし、そうなると今度は表情が「求め」ではなく「慈しみ」であることが納得出来ない。
いずれにせよ、「あの時」に帰るためのハグ、という文脈で考えるとこれが全く理解できない。
であれば、これは鞠莉さんが果南ちゃんとの間で「全く新しいハグ」を築こうとした試みなのかもしれない。

とにかく、問題はそれまでのやり取りと[慈しみの表情でハグを求める]という行為が全く結び付かないことにある。
「それまでのやり取り」で納得できないならば、より広い文脈、
つまりかなまりの過去や隠された感情の上にあるハグなのかもしれない。
その「隠された感情」の一つが果南の「傷付き」であり、それは鞠莉にしか理解できないのかもしれない。

先述の通り、果南ちゃんがあのやり取りの中で自分を傷つけていたとするなら、
「絶対無理」「諦めるべき」という言葉が、果南ちゃん自身にも向けられていたものだったと考えられる。
果南ちゃんは東京事件を通してこの主張を持つに至ったはずなので、
それを今も自分自身に向けて言っているならば
果南ちゃんが東京事件について[責任を感じて]いて、こうした言葉を吐くことで[自分を責めている]、
ということが、鞠莉には分かるのかもしれず、
こうした[責め]に対して鞠莉が[許し]を与えようとしたのかもしれない。
果南ちゃんがダイマリかなアイドルの発案者であった可能性があることについては既に考慮したが、
もしこれが事実ならば、発案者として「絶対無理」な事に2人を巻き込んだ、徒に2人を傷付けた、と
果南ちゃんは考えており、そのため[責任を感じている]のかもしれない。
また、ハグを受け入れなかったということは、
果南ちゃん自身は自分を傷付けていること自覚していない、あるいは自分を許していない
ということを意味しているのかもしれない。

こうだとすると、鞠莉のハグ求めの真の意図は、理論武装に捉われた果南ちゃんに身体で語り掛けることで、
果南ちゃんの[自分に対する責め]を解き、
果南ちゃんが理屈を超えて[自分を許す]方向へと導くことにあったのかもしれない。


・「誰かが傷付く前に…」
「千歌」でいいところを「誰か」と敢えて言ったのは、
Aqoursに限らずどんなスクールアイドルも認めるべきではないという考えからかもしれないが、
もしかすると[人]が見えていない果南ちゃんの状態を象徴するのかもしれない。
それにしても、千歌たちが東京から帰った後で、既に挫折を味わった後なのに「前に」と言った。
これ以上千歌たちが傷付く機会が果南ちゃんの視野の中にはあるというのだろうか。
それとも単に周りが見えていないだけだろうか。
なお、一般的に言われているとおり既に目の前の鞠莉さんを傷付けているのはかわいそう。


・「私は諦めない…必ず取り戻すのあの時を!果南とダイヤと失ったあの時を…私にとって、宝物だったあの時を…」
挑戦的だった表情がいきなり慈しみに変わり、今度は泣き出すというあまりにも不自然な変化は、
他の表情が果南に働きかけるための仮面であり、
この泣き顔が鞠莉の真実の感情であることを意味するのかもしれない。
(単にころころ表情が変わっているだけかもしれない。)
ダイマリかなの時間がスクールアイドルを通して宝物になったから、
鞠莉がスクールアイドルに拘っているという仮説については既に考えた通り。
「私は諦めない」は、「私は果南のストーカー」に繋がる。

このセリフに、前述の、Aqoursが前進することでダイマリかなの物語も前進したという仮説を考え合わせると、
現時点ではAqoursが立ち直ったことを3人は知る由もないが、これを知ることで
ここで述べられた果南のスタンス、鞠莉の「取り戻しチャレンジ」等に変化が生じることが期待される。
Aqoursの現況を知った黒澤ダイヤ、小原鞠莉、松浦果南がそれぞれどう考えどう動くか、次話以降注目していきたい。
また、7話時点で個人的に推測した
「鞠莉は現Aqoursが壁を乗り越える姿を示すことで、
あの時挫折した果南とダイヤを勇気付け、三人での加入に繋げたいと考えている」という
[鞠莉の目的]もAqoursの立ち直りによって前進していくことになるから、この視点からも見ていきたい。


補足:4話の果南ちゃんのサイレントシャウトについて
8話における果南ちゃんの主張と同様の内容、つまり「私たちにはスクールアイドルなんて無理なんだよ!」
的なことを言ったと思われる。


○ダイかな報告2
・「ええ、話しましたわ。きちんと。」「そう…」「良かったんですわよね?これで。これで…」
ダイヤ様の言い方から、ダイマリかなの失敗の経験及び現在のスクールアイドル界隈の現実について
千歌たちに話すことを、果南ちゃんがダイヤ様に要請していたことが想像できる。
またそうでなくても、少なくとも「話す」ことについてダイヤと様と果南ちゃんの間で一定の了解があったと言える。
但し、この[伝言ゲーム]においては果南ちゃんとダイヤ様との間で意図の違いが生じているように感じる。

テーマ:[失敗の経験を話すこと]に関するダイヤ様と果南ちゃんの意図の違い

先述した、[3話回想に被せるように発された果南ちゃんの言葉]という問題と並行するテーマである。

果南ちゃんの主張は一貫して「スクールアイドルは無理」「諦めたほうがよい」「傷付くことになる」
ということであり、当然例の話によってもこの主張に沿う形での効果をもたらすことを期待したと思われる。
つまり、失敗の経験を話すことで千歌たちが諦めるのを期待していたと考えられる。
ところが、何らかの事情によって千歌たちに直接話すことが出来なかったため、ダイヤ様に話してもらった。

ところで、ダイヤ様はAqoursの活動を何としても諦めさせたいと考えているだろうか。
諸々のシーンから、そうは思われない。
根拠としては、内浦ライブで電源を持ってきたこと、ルビィとの会話、
鞠莉に「期待してるんじゃない?」と言われたことに対して否定しなかったことなどが挙げられる。
実際にはスクールアイドルの活動を止めていたのはダイヤ様ではあり、また
Aqoursの活動も理事長・鞠莉によってなし崩し的に認めさせられたのではあるが、
ルビィの楽しげな姿や千歌たちの頑張りを見て、こうなってしまったからには是非成功して欲しいと
考えるようになったように見受けられる。

こうした背景の下、ダイヤ様が千歌たちに話した言葉を見ると、
諦めさせようとして話しているようには聞こえない。
「あなたたちは決してダメだったわけではないのです。
スクールアイドルとして十分練習を積み、見てくれる人を楽しませるだけのパフォーマンスもしている。」
「スクールアイドルの現状から、支持されなかったのは仕方ない」とフォローし、
自分たちの失敗を引き合いに出してよく歌ったと褒める、といった話し方が根拠に当たる。
「仕方ない」と言った言葉からは、これから努力すれば何とかなるかもしれないという気持ちを
言外に滲ませているような気もする。

総じて、Aqoursの失敗を慰め、次に向けて歩き出すように優しく背中を押しているように感じられる。

以上のように、果南ちゃんはダイヤ様を通して失敗の経験を千歌たちに伝えようとしたが、その伝える際の意図が
果南ちゃんとダイヤ様で異なるものになってしまったと考えられるのである。

ところで、ダイヤ様は果南ちゃんの意図を理解していなかったとは考え辛い。
果南ちゃんに対する義理は果しつつ、自分の意図を混ぜるという難しい立場を取ったのだと思われる。
「きちんと」「これで。これで…」といった言葉からは、
逆説的に果南ちゃんの意図を「きちんと」伝えなかったことに対する申し訳なさを示唆していると推測される。


point:今週の果南ちゃん嫌な子ポイント

今週の視聴を通して、どうしても果南ちゃんが嫌な子になっちゃってるという思いをぬぐえなかった。
果南ちゃんがダイヤ様に頼んだにしろ、二人の間での了解に留まったにしろ
自分があれだけ強い反対の気持ちを持っているにも関わらず、自分は何もせずに
ダイヤ様に失敗のことを話して貰って千歌たちが諦めるのを期待するというのは
どうしても意地が悪いとしか思えない。
でもトラウマとかでどうしても自分の口から話すことが出来なかったのなら仕方ないのかもしれない…。

こういうネガティブな面も含めて、今後の果南ちゃんを見届けていきたい。