作中における「未熟DREAMER」歌詞の変遷について
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」9話において、劇的な展開により三年組は和解して無事Aqoursに加入、新曲「未熟DREAMER」が公開されましたね。当ブログにおける考察はまんまとミスリードに乗せられた的外れなものになっていたことが分かりました。
さて、アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」においては、果南ちゃんがこの曲の歌詞を書いているシーンが度々描かれています。そして、その歌詞は始めから完璧だったわけではなく、徐々に書き足されて行っています。その変遷を時系列順に追ってみましょう。
シーン①(8話)
シーン②(9話冒頭)
シーン③(5話)(下線部は筆者)
シーン④(9話ラスト)
また、「未熟DREAMER」の公開された歌詞を全て文字に起こすと以下のようになります。
いつもそばにいても伝えきれない思いで こころ迷子になるナミダ
忘れてしまおう歌ってみよう 一緒にね
言葉だけじゃ足りない そう 言葉すら足りない故にすれ違って
はなれてしまったことが悲しかったの ずっと気になってた
分かって欲しいと願う気持ちが止まらなくて きっと傷付けたね
それでも諦めきれない自分はわがまま いまは隠さないから
力をあわせて夢の海を泳いで行こうよ 今日の海を
どんな未来かは誰もまだ知らない でも楽しくなるはずだよ
みんなとなら乗り越えられる これからなんだねお互いに頑張ろうよ
どんな未来かは誰もまだ知らない でも楽しくしたい本当に
みんなとななら無理したくなる 青春したいなまだまだ 未熟DREAMER
やっと一つになれそうな僕たちだから 本音ぶつけ合うことから始めよう
その時見える光があるはずさ
この歌詞全体と見比べつつ、白板に描かれた歌詞を一つずつ見ていくと、あることに気付きます。
それは、[歌詞の中で空白になっていて、後に書き足された部分がある]ということです。
シーン①からは、果南ちゃんが「力をあわせて夢の海を泳いで行」という歌詞を最初に書いていたことが分かります。素朴で力強く果南ちゃんらしい、素敵な歌詞ですね。
シーン②では、一見して作詞が大きく進んでいるのが分かります。ただ、このシーンを見ると、歌詞の中に不自然な空白があるのが分かります。
「きっと傷付けたね」「いまは」の前が空白になっており、歌詞全体を見ると、空白になっていたのは「ずっと気になってた わかって欲しいと願う気持ちが止まらなくて」「それでも諦めきれない自分はわがまま」の部分ですね。
この空白については、果南ちゃんが何らかの理由でこの時点ではその部分を書けなかった、もしくは書かなかったが、その後書き足されたと考えられます。三年組が和解してから書いたのかな…?
また、歌詞全体と比較するともう一つ気になる部分があります。それは、冒頭の「いつもそばにいても伝えきれない思いで こころ迷子になるナミダ 忘れてしまおう歌ってみよう 一緒にね」という部分が欠けているということです。
シーン②の歌詞は白板のかなり上の方に書かれているのに、「(言葉だけじゃ)足りない」という歌詞から始まっていることから、この冒頭部分がこの時点では出来ていなかったことが分かりますね。
なお、隠れている部分については基本的に書かれているものとして考えます。
これを頭に入れた上でシーン③を見ると、
何という事でしょう。白板のかなり右の方に「ってた」という文字が追加されています。
歌詞全体の中で、「ってた」という文字を含むのは、「ずっと気になってた」という部分だけです。これが右の方に書かれている、つまりシーン②の「悲しかったの」という歌詞の右側に書き足されたことが分かります。
さらにもう一つ、「今日の海を」という歌詞が、「いまは隠さないから」の下、「泳いで行こうよ」の右に書き足されています。
また、このシーンは、果南ちゃんが「終わりにしよう」と言って部室を去ってから、三年組が再び部室に集結する前のタイミングに当たります。
したがって、旧Aqoursが解散した後に、果南ちゃんが部室に入って書き去っていったと考えるのが妥当です。誰だ三年組が和解してから書いたとか言った奴は。
最後に、シーン④を見てみましょう。三年組が和解した後です。冒頭部分と、「ずっと気になってた」の部分が補完されて歌詞の最初の四行が完成し、「未熟DREAMER」とタイトルも付きました。それを三年組が仲睦まじく見つめています。めでたしめでたし。
以上の情報から、9話冒頭=シーン②の時点から、付け足された歌詞を[これ]で、映ってはいないが書かれていると思われる歌詞を(これ)で表すと、以下のようになります。
[いつもそばにいても伝えきれない思いで こころ迷子になるナミダ
忘れてしまおう歌ってみよう 一緒にね]
(言葉だけじゃ足りないそう言葉すら)足りない故に
(すれ違ってはなれてしまったことが)悲しかったの[ずっと気になってた]
[わかって欲しいと願う気持ちが止まらなくて] きっと傷付けたね
[それでも諦めきれない自分はわがまま] いまは(隠さないから)
(力をあわせて夢の海を泳い)で行こうよ [今日の海を]
(どんな未来かは誰もまだ知らない)でも楽しくなるは(ずだよ)
(みんなとなら乗り越えられるこれ)からなんだね [お互い頑張ろうよ]
(どんな未来かは誰もまだ知らない)でも楽しくしたい
※[お互い頑張ろうよ]の部分については、[ずっと気になってた][今日の海を]と同じパターンで考えると、「これからなんだね」の後に書き加えられていそうですが、作中に明確な証拠がないので保留としました。
物語を通じて度々映されてきたこの果南ちゃんの歌詞ですが、こうしてみると意外と紆余曲折を経て変遷してきたことが分かりますね。
この変遷が何を表してるかについては、
私にはさっぱりわかりません。
よってこの記事はこれにて終了とします。ありがとうございました。